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/ OKAZAKI NIGHT / 村上隆マンガ道場

編集後記

 シンポジウムでさかんに言われていた「美術のフィールドでマンガを語る」というのは、岡崎京子氏自身、あるいは作品が語ることではなくP-Houseというギャラリーの存在が語る事であった様に思います。

 僕の個人的な印象で言えば、「現代美術なんて見たことないっす」という岡崎読者が殆どだった観客の方々は、今回の展覧を素直に「岡崎京子のの世界」として捉えて楽しんでいたようでした。しかしJATに収録されている「黄色いガーベラの花」や、3冊に増えてしまった芳名ノート(というよリファンの落書き帳つ−か代々木駅状態っつ−か)を見ると、今回の展覧が、「岡崎京子」個人の表現(作品)に収束するものではなく(美術として語られなくても)、表現として、「生」「死」「キャッチーな価値観」といった世界観が、すでに、それを受け取る鑑賞者個人に確実に浸透、拡散している事が「P-House」というグループを通じて見えてくる事のほうが重要だったのでは?とすら思えます。それはP-HOUSEの今回の展覧において「ディレクター」「コーディネーター」等、作家をエディティングするという姿勢を明確に打ち出していた点からもうかがう事ができるのではないでしょうか。でもこれってよくない?よくないこれ?

 今後の展開が気になる所ですが、第2回展覧は椹木野衣ディレクションによる長島有里枝“愛の部屋”展。第2回アーバナートにおいて家族とセルフヌードを撮った作品群や、ストリッパーや女子高生に変装したセルフ・フォトなど記憶に新しい長島有里枝のデビュー展覧会。椹木野衣のディレクショのもと、ポップでパンキッシュな彼女の作品を「愛の部屋」と題しスウィートでカオスに満ちた「アートの娼婦宿」になるとのコト。

今回のJATを制作するにあたり、様々な方々に協力して頂きました。深く御礼申し上げます。

 今回のJATに作品の掲載を承諾して頂いたアーティストの岡崎京子さん。テキストを掲載させていただいたディレクターの布施英利氏、秋田敬明氏、椹木野衣氏、村上隆氏、P-Houseのロゴデザインをされたサルブルネイの松本弦人氏、P-Houseのスタッフの方々、ビデオ提供して頂いた井口ヒロシ氏、資料、テキストなどのデータの殆どを提供してくれたPEPPER SHOPの古賀学氏、テープ起こし等無理難題をこなしてくれたPEPPERスタッフの方々、JATの制作にあたってくれたトヤマナオコさん、前田雅子さん、池松江美さん。いつもサンキュー。

編集の大岡のせいで刊行が遅れてしまいました。すいません。スピードが必要なメディアなのは承知しているのですが。反省。大岡はもっとラフなメディアも作ります。古賀君とデジタル版PEPPER制作予定。古賀君はPEPPERブック版を企画中。企画書見せてもらったけど面白いぞ、これは!大岡+古賀のお子様インディペンデントメディア・タッグはまだまだ続くのだ!

 次号はP-3 art andenvironmentで行われる元SMTVの八谷和彦氏の個展「Over the rainbow」号。会期中会場で販売される「β版」は、JATと八谷和彦氏の共同制作。デスクトップで虹を再現できる「Over the rainbow」のプログラムや制作日記など、提供して頂いたデータに基づいた、バラエティーに富んだ内容になりそう。会期中P-3のみで手に入る限定版(とはいってもコピーフリー)。

 展覧終了後には「β版」とはとは別に、中ザワヒデキ+EXPOのヘアライブの模様や、デラウェア・メガハッピーナイト、裸婦デッサンのもようが収録された「VHS」版が刊行される予定。β版はこれから2日で制作します。

 椿昇号も刊行決定!詳細はPEPPERのJAT通信を待て!

JAT編集部 大岡寛典