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岡崎京子

布施英利

秋田敬明

椹木野衣

村上 隆

村上隆 Takashi Murakami
現代美術作家

村上隆 1962 東京に生まれる
東京芸術大学美術部日本画科卒業後、修士課程、博士後期課程を終了。日本画初の博士号取得となる。1991年から本格的な活動を開始。兵隊プラモデルの「ポリリズム・シリーズ」ワシントン条約で捕獲が禁止された動物の毛皮を使用した「ランドセル・プロジェクト」白いダッコチャン(ワイルドール)などの日本のサブカルチャーゆローカルチャーと様々な社会問題とを関連付けた(かに見える)作品を連発する。
その後100年分のクリスマスライトが点滅する「何でもない日、万歳!」や、日本における芸術の極限まで行き着こうとする前代未聞の珍アートプロジェクト「加勢大周字Zプロジェクト」において日本の芸の最高峰「芸能」を目指し、カリスマ的な支持を受ける。1994年ニューヨークで行われた展覧「Lest We Forget:On Nostargia」に出品。6月17日からSCAI THE BATHHOUSEにて東京で久々の個展「明日はどっちだ。」を開催。1994年夏渡米予定。

主な個展・グループ展
1991「賛成の反対なのだ」 細見画廊(東京)
1992「WILD WILD」 レントゲン芸術研究所(東京)
「中村と村上」 オゾン ソウル(韓国)
「アノーマリー」 レントゲン芸術研究所(東京)
1993第1回マラリアアートショウ「2月1日祭」(東京)
「大回顧展」 なすび画廊(東京)
「何でもない日、万歳!」 広島市現代美術館
1994「Lest We Forget:On Nostargia」 ニューヨーク
「明日はどっちだ。」SCAI THE BATHHOUSE(東京)

 「芸術」について語りたい。 もちろん「ART」の事であってもいい。表現としての完成度が極端に高く、複雑で人生さえも左右されてしまう、人の造り出す完成体としてのの表現。そのことを、いつも想っていたい。語っていたい。

 既に在るアーティストや、作品についての批評もいい。…が、やはり見たことも聞いたこともないものに巡り逢いたい。-まさしく「芸術」そのものに。

 岡崎京子の「リバースエッジ」の中に“芸術”を発見した時、ジャンルを超えた感動が走った。 あらゆる文脈がグルグルと折りなすこの作品の、1つ1つのシーンやネームを注出して、その素晴らしさを語るのもいい、考察してもいい。ただ言葉での伝達力に限界を感じてしまい別の言葉に翻訳してみたらどうかと考えた。

 そこで、現代美術という箱の中にマンガの「リバースエッジ」を、もしくは「岡崎京子」を投げ込んでみたらどうだろうか。マンガの中で融合していた要素がプカリプカリと隔離してメッセージの1つ1つが立ち上がってくるではないか。

 その画力が、テーマがテーマとは関係な作家のグルーヴが、マンガ家という肩書きを超えて、クリエーター岡崎京子がキレイな輪郭線をもってみえてくる。岡崎の描き出す若い女性の胸のラインのように美しく、くっきりと。

 展覧会という形式による表現媒体は、マンガ本のような印刷媒体に比べるとはるかに小さな影響力しかないてあろう、でも展覧会は“小屋”であってライブである。岡崎京子をライブで感じ、考えられるのだ。

 P-HOUSE岡崎京子展はライブな作家論を語る古くて新しいメディア“小屋”として機能しうるか!本展はその挑戦でもある。

 今回この展覧会にたずさわったSTAFFは約50名を超える。それぞれが岡崎京子を信じ、彼女の作品群を信じ、このP-HOUSEでのマンガからアートへの融合は初の試みの、このプロジェクトを信じ作り上げたのだ。

 この私達の挑戦を「芸術」あるいは「ART」の立ち上がる至福として。そして人が表現する瞬間に感じる茫然とした危機感をこの展覧会で感じてほしい。

「P-HOUSE」企画 村上隆