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岡崎京子

布施英利

秋田敬明

椹木野衣

村上 隆

椹木野衣 SAWARAGI NOI
美術評論家。

椹木野衣 1962年生まれ。
1991年、株式会社アウトバーン設立。同社は月刊音楽誌「Remix」を創刊。東京のアートシーンの拠点となったレントゲン芸術研究所設立にあたっては、アドヴァイザーとしての役割を果たす。1992年に同所で開催された「アーノマリー展」ではゲスト・キュレーターをつとめた。
現在、ポップ三部作(ロリポップ/テクノポップ/サイコポップ)を執筆中。伊藤ガビンとの共同プロジェクト「無重力TV」は今春オンエアされた。

著書
1991年「シュミレーショニズム」
1992年「ヘルタースケルター」(トレヴィル)
1993年「資本主義の滝壷」(太田出版)
「神は細部に宿る」(村上龍との共著、浪漫新社)

 なぜこのようなものができてしまったのか、その本当の理由は実際のところ、誰にも分からないでしょう。

 でも、そんなことはどうでもよいことです。

 ひとついえることは、「P-HOUSE」は、それが計画的に「作られた」ものではなく、誰にも望まれることもなく「生まれて」きてしまったものだということです。

 それは、東洋のメガロポリスの、おせじにもキレイとはいえない雑居ビルの一角に捨てられた鬼っ子です。

 わたしたちはこの鬼っ子をとにかく育ててみることに決めました。

 「P-HOUSE」は、悪名高い銀座の貸画廊にも負けないくらい狭いスペースです。しかし、誤解を恐れずに言えば、「P-HOUSE」の「小ささ」は、世界を制覇した日本車の「小ささ」匹敵するものであり、いずれ表現を発進するときの新しいスタンダードを形づくることになるでしょう。

 第一回として、布施英利氏をディレクターに迎え、岡崎京子さんの展覧会を開催します。これは、よくあるたぐいの漫画家の原画展ではありません。

 漫画を美術のフィールドに取り込もうというのでも、ありません。

 むしろそれは、美術は漫画に対してなにをしうるか、という問題を扱っているのです。

 第二回以降もすべてを焼きつくしてしまうような情熱とすべてを滅ぼしてしまうような危機感を同時に用意してお待ちしています。どうぞごさいきに。

(さわらぎのい / 美術評論家 「P-HOUSE」アドバイザー)