Trials to summarize OKAZAKI KYOKO's unbind comics岡崎京子の未単行本化作品を要約する試み - 爆裂女学校(バーストガールズスクール)

爆裂女学校(バーストガールズスクール) 漫画ブリッコ(白夜書房) 1984年8月号~10月号、12月号 ※短編集「RUDE BOY」(2012年7月 / 宝島社)に収録

女子高という狭い世界を舞台とした極初期の中編。主人公・むつみはそれなりに楽しい日常を過ごしつつも、退屈を感じてる。物語は彼女の転入当時の回想、それを元にした妄想、現実がからみ合いつつ進行する。「退屈な日常の打破」。むつみはそれを黒髪の美少女・佐伯さえ子に期待する。ポテンシャルへの期待感とテンション。彼女とならこの退屈をふきとばせるかも。結局のところ、彼女は退屈を楽しんでいて、むつみの過剰な期待や焦りのようなものも楽しんでいただけで、何も起こらないままに、物語は終わる。

ネームも分かりづらく、人物描写も構成も甘い。非常に読みづらい。というか、理解しづらい。その拙さは、かつての「シラけないようにドラマが描けるようになりたい。」発言の、反省の元となったと思われる。だが、いわゆる少女漫画的なページ構成や手法は、彼女の立ち位置を示すものと思うし、何より「退屈/日常」が既に創作のテーマになっていたのは興味深い。バージン所収の「花」や「WEEKEND」の雰囲気で、もっとドラマチックにしようとした努力が加味された印象。