Trials to summarize OKAZAKI KYOKO's unbind comics岡崎京子の未単行本化作品を要約する試み - ドナドナ

ドナドナ CUTiE(宝島社) 1994年10月号 CUTiE comic(宝島社) 2000年4月号 ※短編集「恋とはどういうものかしら?」(2003年5月 / マガジンハウス)に収録

ユカは、ほったらかしにしていた男が他に女を作っていたり、やっと入った大学も卒業する時には就職難だったり、世間とずれていると言うか、ついていない。テレビに美空早乙女というガキでナゾの占い師が出ていて、彼女のファンで、夢中になって番組をみている母と軽口を交わし、夜遊びに出かけるといきなりの雨。店先で雨宿りしていたら、そこへ現われたのは黒服の男から逃げている早乙女だった。追っ手を巻き、一息ついた早乙女は煙草に火をつけ、子供のような外見だけれど自分は実は24才であることをユカに告げる。二人はユカの遊び場へ移動する。友達らの占いや相談等を受けていた早乙女だったが、疲れて休んでいる時に、コドモっぽい服を好むユカに「私ならもっとセクシーな服を着て、真っ赤な口紅をひくのに。」と子供を演じなければならない胸の内を打ち明ける。しばらくすると黒服の男らが嗅ぎ付けた様で、友達らが足止めをしてくれている間に、ユカと早乙女は店を抜け出す。友達の一人である千葉ちゃんが車を用意してくれ、そそくさと乗り込む。早乙女の希望で車は海に向かう。浜辺で早乙女はユカに身の上話をする。小学5年生の時に高熱をだしてから色んなものが見え、聞こえるようになった事。中学生くらいから自分の成長が止まった事。あたしはこれからどうなるんだろう?朝が来て、黒服の男たちが追い付く。マネージャーの様なものである彼らに付いて、早乙女は文句を言いながらも帰っていく。ユカ自身の恋愛のコトと、ユカの母の病気についての予言を残して。そして、その後ユカは千葉ちゃんとつき合うようになり、母の良性腫瘍も早期発見で大事に至らず、早乙女はボルネオの王様に呼ばれた(らしい)。

異論もあるかもしれないが私自身はフリッパーズギターの「Friends Again」に似た印象を受ける。コミックと音楽という違いはあるのだけれど、穏やかで静かで、乾いていて切ない。