Trials to summarize OKAZAKI KYOKO's unbind comics岡崎京子の未単行本化作品を要約する試み - No cherry girl, non cherry boy

No cherry girl, non cherry boy 漫画ブリッコ(白夜書房) 1984年1月号

まゆみと彼氏は彼の部屋での性行為の後眠ってしまったようだ。起きた時には彼氏の母親の帰宅する時間。多分気付いているであろう彼の母親と台本に書かれているかのような挨拶をし彼の家を後にする。彼氏に送られる道すがら16才の私があんな事できるなんて信じられない、と思う。自宅では家族の団欒の中、11PMでエッチなシーンが流れる。頓着しないまゆみだが、両親は過敏にまゆみを部屋に追いやろうとする。まゆみは「私自身が『あーゆーコト』をしてるなんて知らないだろーなー」などと考える。また別の日、彼氏宅でのセックスの折「こどものくせにこんなコトしてていーのかな?」と尋ねてみる。「そうは思わない」と答える彼がたまたま流した音楽は「君たちはあまりに早くやりすぎた」という曲だった。「大きなお世話だっ!」「まあね」

手描きの書き込みから件の曲はスペシャルズのものらしく、最後の決めゴマのバックにツートーンの格子を配するなど、分かりやすく趣味が反映されている。10代のセックスの危うさを説くとかでなく、かつ年齢だけでコドモあつかいするなというわけでもなく。コドモ故に感じる「居心地の悪さ」のようなもの。あるいは「性は隠蔽されるもの」といった社会通念に対してのアンチテーゼ。処女と非処女の差異は初期の岡崎京子に度々見られるモチーフで、自身の「カラダを使った遊び」「どうしてみんなしないのかなー」といったセックス観(月刊カドカワ'90年8月号)が多分に反映されている様に感じる。