Trials to summarize OKAZAKI KYOKO's unbind comics岡崎京子の未単行本化作品を要約する試み - 平成枯れすすき

平成枯れすすき YOUNG ROSE(角川書店) 1993年11月号 ※岡崎京子展覧会(世田谷文学館)公式図録「岡崎京子 戦場のガールズ・ライフ」(2015年1月 / 平凡社)に収録

今日子21歳と次郎23歳は同棲中。飲み過ぎた夜に知り合った次郎とその日から何も考えずに一緒に暮らしているが、これでいいのか、と今日子は思っている。またも仕事先をクビになった次郎は、女友達から金をせびり、バラの花束を今日子にプレゼント。お金がないのに花束を買う次郎に、所帯じみたこ生活のルールを説く今日子。「こんな女にしたのはオレなのか?」と自問。同棲をはじめて一年目、ケーキを買って、待つ今日子。時計の針は翌日に。ひどく酔っぱらって次郎が帰宅する。お互いの「今の生活」に対する焦燥感からいさかいを起こしてしまう。翌日、今日子は何ごともなかったように「バイトさぼっちゃダメよ」と仕事に出かけ、残された次郎は金策に走り、またクスリを入手する。今日子はライターの仕事で編集者と会う。小さいながらもコラムの連載を持ちかけられる。そして今晩の予定を聞かれる。「あたしだってこどもじゃありませんから」と誘いを受けホテルへ。帰宅して目についたのは違法ドラッグ。いつだってちゃんとしたいと思ってる、という今日子に「これで儲けて、ハワイへ行こう。帰ってきたらカタギになってしっかりするから。」という次郎。そんな次郎がどんどん分からなくなっていく今日子。次郎がコンビニに買い物に出た間に今日子は警察を呼ぶ。「愛しているかそうでないのか、いつも分からなかった。けど、通報したって事は愛していないんだわ。」訳も分からず次郎は町内をドタバタと逃げ回るが、結局次郎は取り押さえられる。「くそったれ!!おめーなんか最初から全然好きじゃなかったよーだ!!このボケアマ!!地獄に落ちやがれ!!」暴言を吐く次郎を、今日子はヒトゴトのように眺めていた。

単行本「ヘテロセクシャル」の後書きで触れられていて、その際の『JLGの「勝手にしやがれ!」と上村一夫の「同棲時代」を石ノ森章太郎のコマ割りでリミックス』が一番的確に表していると思われる。その表現は、かえってどんな作品だったのか戸惑わせるものでもあるのだけれど、読んでみれば間違いなく岡崎京子の作品。